CT
検査の特長
CT検査の特長とは
CT装置は、患者さまに寝ていただくベッド部分と、円形のトンネル状のガントリと呼ばれる部分で構成されています。ガントリの中ではX線を発生する管球とX線検出器が検査中1回転0.35秒というもの凄い速さで回転し、X線を発生しながらデータを収集しています。コンピュータが膨大なデータを処理し、体の輪切りや、さまざまな方向から見た断面画像を瞬時に表示します。
検査時間は検査の種類により異なりますが、造影剤を使用しない検査の場合概ね5-10分程、造影剤を使用した検査の場合でも10-15分程となります。
また、病変部を立体的に表示することができる3D(3次元画像処理)画像は特に心臓CTや各種動静脈などの脈管系、また骨折などの整形外科領域などでは特に有用といわれ、こういった処理も速やかに行うことができます。
高次元な画像処理
画像における不要なザラつき(ノイズ)を除去するためには従来高線量を必要としていました。これは暗所で写真を撮ると画像がザラザラした状態になり、それを改善するためには光の量が必要なことと似ています。最近のデジカメ画像が暗所でもきれいな写真が撮れるように、CT装置でも画像再構成方法が従来のFBP法から逐次近似法に進化したことで、低線量でもザラザラしない滑らかな画像を得られるようになりました。当院が導入したGEヘルスケア社製 CT装置 Revolution EVOでは逐次近似法画像処理技術Asir-Vの採用により、従来比最大82%の被ばく低減、91%のノイズ低減、2.07%の空間分解能向上を達成しました。(いずれもメーカー公表値)また、人工関節などの金属が体内にある場合、周囲の画像が乱れ正確な診断の妨げになっていましたが、金属アーチファクト除去機能smartMARによりこれらも低減することが可能となりました。
3次元画像処理には専用のワークステーション装置(AZE社製 Virtual Place)を用意しました。このワークステーションには本邦初導入となる「iNoir」が搭載されております。この機能では厚さ2mm以下のCTおよびMRIの薄層画像を対象に、ノイズ成分のうち画像に影響するとされる主に高周波成分を含むノイズを効果的に除去することができるといわれており、逐次近似法などとの併用でさらなる画質向上、正確な診断への貢献が期待されます。
※1.※2.※3.GEヘルスケアジャパンご提供資料
※4.※5.株式会社AZEご提供資料
検査の特長
心臓に血液を送る冠動脈が動脈硬化や血栓により詰まった状態では狭心症や心筋梗塞を引き起こす可能性が高くなります。喫煙者や高血圧の方ではさらにリスクが高まります。冠動脈疾患の診断には、鼠径部や手首などの血管からカテーテルといわれる管を挿入し直接冠動脈を造影する心臓カテーテル法による検査が主流でしたが、心臓CTの登場により、簡便に、より低侵襲に安全に検査を行うことが可能になりました。
正確な診断のためには、常に動いている心臓をできるだけ静止した状態で撮影することが重要となります。導入装置では5心拍10秒程度の息止めで撮影することができます。CT検査室内での滞在時間は20分程度となります。
なお、心臓CTを受けられる方は事前に循環器内科で診察を行い、心臓が安定した状態で検査を行うために心拍を安定させる薬を事前に服用していただくなどの前処置を行います。このため検査の数時間前に来院していただく必要があります。予めご了承ください。
お願い
CT検査の注意事項
①撮影部位やその周辺にあると画像に悪影響を及ぼすために、以下の物は外していただくことがあります。
腕時計・金属製のボタン・ベルト・ファスナー・ヘアピン、ネックレス、指輪、ピアスなどの金属製装飾品・入歯・補聴器・めがね・かつら・カイロ・コルセットなど
②心臓ペースメーカーや植込み型除細動器(ICD)の患者さまにつきましては検査を受けられない場合がございます。ご了承ください。
③CT検査ではより詳しい情報や確かな診断のために造影剤を用いて検査をする場合があります。検査のためのお薬ですので、どなた様にも合うように作られておりますが、体質やその日の体調によっては痒みや咳、くしゃみ等アレルギー様の症状が出現することがあります。安全に検査を受けていただくために、説明をよくお聞きいただき、問診票にご記入いただき同意書に署名を頂いております。検査中や検査後に上記の症状やご気分がすぐれないなどの症状がありましたら遠慮せずすぐにお知らせください。