概要・診療内容
新潟県厚生連小千谷総合病院の内科には消化器内科を専門とする常勤医師が3名、非常勤医師が2名の計5名が在籍しています。消化器内科は食道、胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化管と、肝臓、膵臓、脾臓、胆嚢、胆管、腹膜など消化管に付属する各種重要臓器の疾患を扱う内科の一分野で、ごくありふれた病気から珍しい病気まで様々な疾患があり、内科の中でも患者数の多い分野といえます。
当院では経口ならびに経鼻内視鏡を用いた食道、胃、十二指腸に対する内視鏡検査により食道癌や食道潰瘍、逆流性食道炎、胃潰瘍、胃癌、十二指腸潰瘍、十二指腸乳頭部腫瘍の早期診断や内視鏡的治療をルーチンに行なっています。また、胃潰瘍などからの出血に対する緊急内視鏡的止血術や早期胃癌に対する胃粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection, ESD)などを積極的に行なっています。その際にはNBIを用いた拡大観察などを併用しています。近年では慢性委縮性胃炎や胃癌の発生にピロリ菌が重要な役割を果たしていることが解明されていますが、内視鏡検査後のピロリ菌陽性者に対する除菌治療なども積極的に行なっています。
便の潜血反応陽性者に対する大腸内視鏡検査では大腸癌の診断や、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸粘膜・ポリープ切除術(endoscopic mucosal resection, EMR)をルーチンに行なっています。また、大腸内視鏡で診断される潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患に対しては生物学的製剤を含めた内科的治療を行なっています。
胆嚢や胆管などの胆道系に関しては内視鏡的逆行性膵胆管造影(endoscopic retrograde cholangio-pancreatography, ERCP)を積極的に施行し、総胆管結石などが見つかった際には内視鏡的乳頭括約筋切開術(endoscopic sphincterotomy, EST)後にバルーンカテーテルやバスケットカテーテルなどを用いた内視鏡的採石術を行なっています。
肝臓の病気にはB型やC型肝炎ウイルスの慢性感染によって引き起こされるB型・C型慢性肝炎や肝硬変、脂肪肝に炎症や線維化が加わって肝硬変や肝細胞癌へと進展する非アルコール性脂肪性肝炎や肝硬変などがあります。また、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎など、肝臓や胆管に生じる自己免疫学的機序によって生じる自己免疫性肝疾患があります。当院の消化器内科ではウイルス肝炎に対する最も新しい治療であるインターフェロンフリー治療や、自己免疫性肝疾患に対するステロイド治療、肝硬変に対する各種内服治療、肝細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術などを肝臓専門医が積極的に施行しています。
最近のトピックスとしては2017年6月より超音波内視鏡が導入され、超音波内視鏡下の細径針生検(EUS-FNA)が実施可能となりました。今後、超音波内視鏡を用いた各種インターベンションの当院における実施が拡大されることが期待されます。
また、平成30年1月より日本消化器病学会の認定施設となりました。
さらに平成30年12月1日より日本消化器内視鏡学会の指導施設として認証されました。
当院で処置することができない症例については長岡市にある同系列の長岡中央綜合病院、長岡赤十字病院、立川綜合病院の高度急性期3病院に消化器内科医同士のネットワークを使って積極的に紹介し、当院に受診する消化器疾患については軽度なものから高度なものまで全ての患者様に対応可能となるように努力しています。
内視鏡検査における臨床研究協力についてのお知らせ
病院長 柳 雅彦
学歴:
1991年(平成3年) 新潟大学医学部卒業
2002年(平成14年) 医学博士(新潟大学)
専門・資格:
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会内科指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本肝臓学会専門医
臨床研修指導医
NST医師
コメント:
当院は小千谷地域唯一の総合病院として統合・新生しました。地域医療に貢献できるよう微力ながら尽力します。
名誉院長 髙橋 達
学歴:
1977年(昭和52年) 秋田大学医学部卒業
1988年(昭和63年) 医学博士(新潟大学)
専門・資格:
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本肝臓学会専門医・指導医
日本医師会認定産業医
臨床研修指導医
部長 渡辺 庄治
部長 山田 一樹
学歴:
2004年(平成16年) 新潟大学医学部卒業
2014年(平成26年) 医学博士学位取得(新潟大学)
専門・資格:
日本内科学会認定医
日本消化器病学会専門医
日本肝臓学会専門医
コメント:
地域の皆様に貢献できるよう頑張ります。
非常勤医師 大矢 敏裕
内視鏡施行実績
施設認定
日本消化器病学会認定施設
(認定期間:2018年1月1日より2022年12月31日まで)