マンモグラフィー(トモシンセシス)
検査の特長
『トモシンセシス』という言葉を初めてお聞きの方も多いかと思います。
トモシンセシスは、近年の急速なデジタル化による乳腺X線検査の新しい画像診断法として注目されています。県内でこの検査を行う医療機関はまだ少なく、厚生連グループにおいては当院が初となります。
トモシンセシスは従来のマンモグラフィー検査に付加された検査機能の名称で、 断層を意味するトモグラフィー【Tomography】と合成を意味するシンセシス【synthesis】の二つの言葉から作られた造語です。検査中約9秒間の連続撮影で、複数の位置から撮影した画像を合成し、乳房全体を1mm間隔の細かい画像で表すことができる全く新しい検査です。
乳房厚が40mmの場合40枚の断層画像が生成されます。断層画像とは身体のある深さの平面像のことで、腫瘤などの対象物をその上下に重なった乳腺組織から区別する時に有用です(Fig.1)。乳腺トモシンセシスでは厚みの薄い断層画像が得られ乳腺の重なりを減少させることから、従来のマンモグラフィでは描出困難であった高濃度乳腺においても臨床的有用性が報告されています。乳腺トモシンセシスを併用することにより、マンモグラフィが元来得意としている「微細な石灰化」の描出に加え、これまで乳腺に隠れて見つかりにくかった腫瘤,distortion(乳腺の歪み),FAD(左右乳房の非対称な部分)等乳がんに特徴的な病変に対する診断精度が大きく改善され、乳がん検出能の向上が多数報告されており、当院においても大きく期待されているところであります。
Fig.1 トモシンセシスの原理(左図)トモシンセシス画像(右図)
お願い
マンモグラフィー(トモシンセシス)検査では、撮影領域内にボタン、ファスナーなどがあると障害陰影となり、これに隠れた病気などの大事な情報を見落とす可能性があります。また、厚すぎる衣服は高精度の検出器によりシワまで鮮明に写してしまう可能性があります。このため、例えば胸やおなかのレントゲン検査では薄手のシャツ1-2枚程度になっていただきます。検査部位に合わせた検査着も用意させていただきますのでお気軽にお申し付けください。
障害陰影になる可能性が高く、外していただくことがあるもの
ボタン・ファスナー・ネックレス・腕時計・派手なプリントや凹凸のある加工が施された衣類、コルセット、湿布など