核医学検査

検査の特長
核医学検査では、特定の臓器や組織に集積するよう造られた微量の放射線を放出する放射性医薬品を投与します。目的の部位に集積した放射性医薬品が発する放射線を、ガンマカメラと呼ばれる特殊な装置で検出します。投与後の薬品の体内分布によって病気の有無や臓器の状態などを診断することができます。
放射性医薬品は、放射性同位元素(Radioisotope:RI)を含んだ医薬品であり、このことから核医学検査は「RI(アールアイ)検査」とも呼ばれます 。 また放射性医薬品の分布を画像にすることをシンチグラフィ(シンチ)といい、検査する部位によって「骨シンチ」、「脳血流シンチ」などと言います。
検査の特長
この検査の特徴は、他の放射線検査のように体に放射線を照射し、通り抜けた放射線から画像を得るのとは異なり、体内に投与された放射性医薬品が放出する放射線を、外部の機器(ガンマカメラ)で受取り画像化する点です。
このため、被曝線量は投与した薬品の放射線量によってほぼ決まり、仮に撮影時間が長くなっても被曝量が増えることはなく、1回の検査の被ばく線量は0.2~8ミリシーベルトで他のX線検査と違いありません。
また、もうひとつの特徴はCTやMRIのように臓器や組織の形態を観察するだけでなく、機能や代謝状態などを評価することができる点です。検査する部位によりますが、神経機能の評価や代謝状態を数値化した定量評価が行えます。

撮影方法
撮影の方法にはいくつかの方法があり、①検査テーブルを移動しながら広い範囲を撮影する方法や、②移動せず一部だけ撮影する方法、③投与してからの状態を続けて観察する方法、④ガンマカメラの検出器と呼ばれる部分を体の周りで回転させて撮影する方法(SPECT:スペクト)、などがあります。SPECTでは得られた画像データから任意方向の断面を得ることも可能です。
いずれの場合も装置の検査テーブルに寝たまま撮影を行いますが、体内から放出される微弱な放射線を受けるために、検査中は放射線を受ける検出器部分が可能な限り体に近づき撮影します。
撮影時間は検査によりますが、15分から長くても1時間です。
検査の注意事項
1.予約検査のみとなります。
2.検査薬を投与してからの検査となりますが、投与から検査までの時間について
・注射後すぐに撮影する検査
・注射後数時間後に撮影する検査
・撮影を2~4回追跡して撮影する検査
・注射後数日後に行う検査
など多岐に渡っており、他の放射線検査とは異なる点が多いため、検査予約時には各検査の「ご案内」をお渡しし検査方法についてご説明させていただきます。「ご案内」をご覧いただき検査にお越しください。
3.使用される薬剤は有効期限が当日限りのものがほとんどのため、キャンセルは前日までにご連絡ください(連絡先につきましてはお渡しした「ご案内」をご参照ください)。